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新証券税制が導入された後、今回が初めての確定申告となる。特定口座のうち、源泉徴収しない口座(簡易申告口座)の場合、申告が必要だが、証券会社が作成した年間取引報告書を添付することで、これまでより簡単に申告できるようになった。一方、特定口座の源泉徴収口座の場合、確定申告もできるものの、基本的に証券会社で源泉徴収して納税を完了できる。
林裕二税理士は、この二つの特定口座の注目点は、申告の手間ではなく「申告する場合は、譲渡所得がその人の合計所得金額に加算されること」であるという。源泉徴収口座を選んだ場合、株式の売却益が38万円以内かどうかが、ポイントとなる。
<源泉徴収口座の申告>
源泉徴収口座は、基本的に確定申告の必要がない。しかし、次のような場合は源泉徴収口座であっても確定申告をする。申告の際は、簡易申告口座と同じく、証券会社から送付されてくる年間取引報告書によって簡単に申告することができる。
なお、口座を開設したのが昨年の途中で、1月から開設時までに一般口座で株を売却した利益がある場合は、その分については確定申告の必要がある。
(1)他の口座と株式の売却損益(譲渡損益)を通算したい場合
株式売却の利益は、他の株式売却で出た損失と相殺することができる。別の証券会社の特定口座や一般口座を持っていて、損益を通算したい場合は確定申告をするといい。
(2)株式の売却損失(譲渡損失)の繰越控除をしたい場合
株式の売却による損失は、確定申告することで、翌年以降3年間にわたって繰越控除することができる。確定申告は、取引の通算で損失が出た年、繰越控除を受ける翌年以降に連続して行う。
(3)所得のない人が還付申告する場合
専業主婦のように株式の売却益の他に所得がない場合、確定申告をすれば源泉徴収された所得税が全額戻ってくる。ただし、少しでも所得がある人が申告する場合は、株式売却益との合計所得金額が38万円を超えると、夫が配偶者控除を受けられなくなる。
源泉徴収口座内の譲渡所得は、確定申告をしなければ、合計所得金額には含まれない。つまり、たとえ株式の年間譲渡所得が38万円を超えても、その他の合計所得金額が38万円以下なら配偶者控除は受けられる。専業主婦や扶養親族が株の取引をする場合は、とりあえず源泉徴収口座を選び、年間の譲渡所得が申告をしても大丈夫な額なら申告をし、申告すると扶養から外れてしまう場合は、申告せずに源泉徴収で納税を済ませるようにするといい。
<源泉徴収しない口座の申告>
源泉徴収しない口座は申告が必要だが、年収2000万円以下のサラリーマンは、給与以外の所得が株式譲渡所得のみで、年間20万円以下なら申告をしなくてもよい。
この場合、源泉徴収口座を選んでいると、本来は非課税ですむにもかかわらず所得税が源泉徴収されてしまう。株式の年間譲渡所得が20万円以下と予測できる人は、簡易申告口座を選んでおくといい。
一方、前述したように、譲渡所得の多寡によっては配偶者控除や扶養控除が受けられなくなる可能性がある人は、今年からは源泉徴収口座に切り替えるようにしたい。
なお、05年からのことだが、緊急投資優遇制度を利用して、元本1000万円までの非課税措置を受けたい場合、源泉徴収口座では非課税措置は適用されないので、簡易申告口座を選択する必要がある。
緊急投資優遇とは01年11月末から02年末までに購入した株式で、購入したときの価格が1000万円までの株式の売却益には、税金が免除されるというもの。ただし、売却は05年1月から07年末の間に限られる。((一からわかる新証券税制「緊急投資優遇」参照))。
<一般口座の申告>
特定口座開設の届け出をしなかった場合は、譲渡所得を申告する必要がある。従来どおり、証券会社から送られてきた取引報告書や売買契約書から「株式等にかかる譲渡所得等の金額の計算明細書」に必要事項を書き込み、申告書に添付して確定申告をする。
<申告の際にはみなし取得費が選択できる>
01年9月30日以前に購入した上場株式を、03年1月から10年12月末までの間に売却した場合、実際の取得価額とみなし取得費(01年10月1日の終値の80%)の、どちらか高いほうを選択して申告することができる。
みなし取得費は、取得価額(購入価格+手数料)なので、譲渡所得を計算する際、別途購入手数料は加算できないので注意したい。((一からわかる新証券税制「タンス株」参照))。
<添付書類>
B様式と分離課税用の申告用紙に、以下の書類を添付する。
※一般口座と特定口座の両方を申告する場合は、特定口座の分は「年間取引報告書」を添付し「株式等に係る譲渡所得等の金額の計算明細書」には特定口座の合計額だけを記入し「明細は別紙」とすれば簡単。
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林 裕二 (はやし ゆうじ) |
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税理士、CFP(FP上級資格)。日本ファイナンシャル・プランナーズ(FP)協会FP広報センター相談員、同協会認定講師。「得する金融商品の税金早わかり」(実業之日本社、2003年12月)の著書がある。
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(02/22)
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