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定年退職だけではなく、リストラや転職で会社を去るサラリーマンが増えている。厚生労働省の「就労条件総合調査」(調査は03年1月1日時点)によると、退職給付制度がある会社は86.7%。勤続20年以上で40歳以上の退職者数のうち、定年退職による退職者は36.4%で、ほかに早期退職優遇制度26.4%、会社都合22.8%、自己都合14.3%で、合わせると60%以上の人が中途で退職している。
退職金については支給時にすでに所得税が差し引かれているので、原則的には確定申告の必要はないが、年の途中で退職した場合は、定年退職、中途退職を問わず、申告をすれば税金が戻ってくることが多い。
特に「定率減税には注意が必要だ」と林裕二税理士は言う。03年分の所得税は20%の定率減税が適用されている。退職金にかかる所得税は、この定率減税を考慮しないで計算した税金を取っているので、所得税が精算済みの場合であっても年間所得税額125万円以下の人については、申告すれば定率減税分が還付される。
ほかにも申告すれば税金が還付されるケースがあるので、計算してみるとよい。
<退職所得になるもの>
一度に支払われる退職金、一時恩給、厚生年金保険法や各種の共済組合法に定める退職一時金、特定退職金共済団体から支給される退職一時金などが退職所得になる。また、労働基準法で規定されている、予告なしの解雇時に支払われる予告手当も退職所得になる。
同じ退職金でも年金形式のものは、公的年金などのように雑所得として計算する。
<退職所得の申告の必要がない場合>
(1)退職後、年内に再就職した場合
再就職先で前職の分も一緒に年末調整してもらえるので、確定申告の必要はない。
(2)退職時に「退職所得の受給に関する申告書」を会社に提出している場合
退職金の所得税は、あらかじめ会社が源泉徴収して税務署に納付している。その際に掲題の申告書を会社に提出している人は、退職所得控除を受けている。控除額が大きいため、通常は退職金に所得税はかからない。ただし、所得税の定率減税分は考慮されていないため、金額によっては還付申告したほうがよい。
<確定申告をしたほうがよい場合>
(1)退職後、年内に再就職しない場合
毎月の給与から源泉徴収される税額は、一年間毎月同程度の収入があることを前提に計算されている。このため、途中で退職して再就職していない年は、本来払うべき税額以上に源泉徴収されている可能性がある。還付額が生じるかどうか、自分の払うべき税額を計算してみるといいだろう。
また、年の途中で退職した人の退職金は、源泉徴収の段階では定率減税の適用は受けていない。退職金以外の所得に対する所得税の20%が25万円未満(年間所得税額125万円未満)の人は、申告をすれば定率減税が受けられる。
(2)「退職所得の受給に関する申告書」を会社に提出していない場合
退職時にこの申告書を会社に提出していない場合は、退職金に一律20%の所得税が課税されているため、確定申告して所得税の精算をする。
(3)脱サラ事業が赤字の場合
退職後に始めた事業が赤字の場合、事業所得の金額と退職所得を損益通算できる。赤字分だけ課税対象となる退職所得金額が減るので、税金の還付を受けることができる。
(4)退職金以外の収入が少ない場合
年の初めのうちに退職し、その年の収入が少ない場合、基礎控除や生命保険控除などの各種所得控除を給与所得から控除しきれないことがある。その分は退職所得から引くことができるので、還付申告をして精算してもらうとよい。
<退職所得にかかる税額の求め方>
(源泉徴収前の退職金の金額−退職所得控除額)×1/2×所得税の税率
勤続年数の1年未満の端数は切り上げ。
障害者になったために退職した場合は、上記に100万円を加えた金額が控除される。
<失業給付は非課税>
雇用保険の失業給付金は非課税なので、申告の際には失業給付金は最初からないものとして収入金額に含めない。
<添付書類>
B様式と分離課税用の確定申告を使う。退職金をもらっていても、退職所得が生じない(退職金が退職所得控除額以下)場合はA様式でよい。
退職者の申告は年末調整をしていないため、各種所得控除を自分で計算して書く必要があり、添付書類も多くなる。退職後に国民年金や国民健康保険に加入し、社会保険料を納めた場合は「給与所得の源泉徴収票」に記載された社会保険料の金額に、その支払い分を加えることを忘れてはいけない。
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林 裕二 (はやし ゆうじ) |
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税理士、CFP(FP上級資格)。日本ファイナンシャル・プランナーズ(FP)協会FP広報センター相談員、同協会認定講師。「得する金融商品の税金早わかり」(実業之日本社、2003年12月)の著書がある。
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(02/25)
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