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【〈紙面から〉経済を読む】
 
珠洲原発断念へ エネルギー政策・温暖化対策、影響必至

 関西、中部、北陸の3電力が5日、珠洲原発(石川県珠洲市)計画の「凍結」を地元自治体に申し入れる。電力会社が建設を表明しながら、経営判断に基づき計画を断念するのは初めて。需要の伸び悩みと、原発の長期にわたる資金や管理の負担に加え、自由化の拡大でコスト削減を迫られている電力会社にとって、過去の原発計画は大きな負担になりつつある。計画が難航する他の原発への波及も懸念され、原発を「基幹電源」とした国のエネルギー政策への影響は必至だ。

 電力3社は、いずれも当初予定した通りには需要が伸びず、供給力が上回っている。ある幹部は「単なる延期ではなく、一歩進める経営判断が迫られていた」と語る。

 関電は、管内の需要の伸びを、01年から12年までの平均で0.9%と予測。06年をピークに日本は人口減少に転ずる見通しで、需要が大きく伸びる可能性は小さい。逆に、関西では最大のライバル、大阪ガスが大阪府堺市に新規の発電所を計画するなど、管内の供給力は増える傾向にある。

 中部電の原発断念は00年2月の芦浜(三重県)に続き2件目。静岡県の浜岡しか原発を持たず、原発比率の低さが長年の悩みの種だったが、ある幹部は「需要がないのに造っても困る。今、珠洲は必要ない」と説明する。関電との関係が、電力自由化による地域独占の崩壊で競争関係に突入したのも一因だ。

 北陸電は、東北電力と並び水力発電が豊富で電気料金も割安。原発を造れば造るほど、この利点が薄れる。石川県で建設中の志賀原発2号機(出力135.8万キロワット)が06年3月に運転を始めれば、当面の供給力は十分となる。

 全国では、東北電・巻(新潟県)、中国電力・上関(山口県)など多くの原発計画が難航している。各社は職員を張り付け、毎年億単位の資金を投じて住民への理解を求めてきたが、用地取得などがはかどらず、稼働開始時期を毎年のように先送りしてきた。

 電力10社の03年度供給計画によると、今後10年間の販売電力量の年平均伸び率は過去最低の1.3%。原発に限らず発電所の新規計画は後ずれ傾向だ。

 とくに原発は、1基4000億円と初期投資が大きい。青森県六ケ所村で建設中の使用済み核燃料の再処理施設が06年から稼働すれば、約19兆円の後処理費用も発生する。新規参入者は、短期でコスト回収できる火力発電所を次々に建設し、顧客を奪い始めている。実現性の乏しい原発計画に巨額の資金をかけられる時代ではなくなってきた。

 石油危機を契機に石油火力依存度を減らす一方で、経済成長による需要の伸びに発電所建設が追いつかなかった70〜80年代のような「何が何でも原発推進」という姿勢は、国、電力会社ともに影を潜めた。ただ、10月に策定した国のエネルギー基本計画で、原発は引き続き基幹電源と位置づけられた。二酸化炭素(CO2)をほとんど排出しないため、地球温暖化対策の「切り札」としての役割は生き続ける。

 一方、需給計画は10年度までに9〜12基の原発新設の目標が毎年のように運転開始が遅れ、目標通り稼働できるのは8基にとどまる。1基が稼働せずに石炭火力で代替した場合、90年比で約0.7%の温暖化ガスの排出増になる。この解決策はまだみつかっていない。

     ◇

≪各地で難航する新規の原発計画≫

 大間(青森県)は電源開発で初の原発。日本で初めてプルトニウム混合のMOX燃料だけを使う計画だが、炉心予定地の変更を強いられた。東京電力の東通(同)は推進姿勢だが、凍結の観測もくすぶる。

 東北電力の巻(新潟県)は96年の住民投票で町民の6割が反対、浪江・小高(福島県)も用地買収の難航で03年度計画まで計28回延期された。中部電力の芦浜(三重県)は県知事判断を受け断念。中部電力と関西電力、北陸電力の珠洲(石川県)も凍結から断念の方向。中国電力は反対が強い豊北(山口県)の代わりに上関(同)を推進しているが、原子炉設置許可申請が出せていない。

 九州電力の串間(宮崎県)は国の計画に入る前に住民投票の可能性が高まり、撤回した。 (12/05)




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