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【〈紙面から〉経済を読む】
 
本社移転「形態を検討中」 三菱自社長、計画修正を示唆

 三菱自動車は8日、中間決算発表に合わせて、事業再生計画の進み具合を多賀谷秀保社長らが記者会見で説明した。京都市への本社移転の白紙撤回問題など新たに浮上した見直し項目については「基本的な方針変更はない」としつつ、「時期や形態を検討中」と述べ、計画の修正を示唆した。

 「京都移転、岡崎工場(愛知県岡崎市)について基本的な方針の変更はないが、時期あるいは移転の形態について、実行する場合における実行計画を検討中だ」

 東京・品川の本社ホールで「本社の京都移転と岡崎工場閉鎖の方針は不変か」との質問に対し、多賀谷社長の回答は歯切れが悪かった。本社の京都移転には、それに伴って1000人規模が退職を希望しており、強行すれば通常業務に支障が出かねないため、白紙に戻す公算が大きくなっている。

 これに対し、京都府の山田啓二知事は8日の定例会見で「正直驚いている」と戸惑いを隠さなかった。府は同日朝、三菱自側から「方針に変更はない」との言葉を得て、「あくまでも京都移転を期待」(知事)とする。企業立地への補助や転入社員・家族への賃貸住宅紹介などの支援策を検討する京都市も「これまでどおりの支援態勢を維持する」としている。

 だが三菱自幹部は「最終的には延期という形で撤回するか、規模縮小などを申し入れるのではないか」と言う。別の幹部も「移転コストが大幅に増えるなら、撤回が妥当と大半の役員は考えている」と話している。

 岡崎工場の閉鎖棚上げの検討も浮上している。05年末までに生産部門を閉鎖する計画だったが、三菱自は日産自動車と軽自動車事業の合弁交渉を展開。軽の主力である岡山県倉敷市の水島工場を日産に「切り売り」すれば、水島でつくるランサーなどの乗用車組み立て場所として「岡崎復活の可能性もある」(幹部)というのだ。

 これについて多賀谷社長は、早期退職やトヨタ自動車グループによる従業員受け入れ(約400人)の進行を踏まえ、「時期の変更はない」と語った。だが日産との合弁交渉について「OEM(相手先ブランドによる生産)供給の話はしているが、提携は何も決まっていない」とし、国内生産の配置見直しの可能性に含みを残した。

 05年3月末までに国内販売が盛り返し、目標の22万台を達成できるかどうかは微妙だ。通期業績では、00年のリコール隠し事件で販売が落ち込んだ00年度の当期赤字2781億円が最悪だが、今年度もそれに迫る規模に膨らむ可能性がある。 (11/09)




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