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日本の原子炉メーカーが「輸出シフト」をとり始めた。国内では原子力発電所を巡る相次ぐ事故や不祥事で新規の原発立地が難しくなっており、これまで主力だった国内原発向け生産の成長に期待がもてないためだ。これに代わって中国や米国など海外向けの生産や部品交換に事業の比重が移りつつある。国内最大手の三菱重工業神戸造船所にその変化をみた。
兵庫県明石市の三菱重工神戸造船所二見工場。1万平方メートルの建物内には製造中の直径約4メートルの炉容器が並ぶ。
以前と少し様子が違うのは、どれも老朽化した海外向けの容器の取り換え用部品だということだ。並べられた上ぶた容器9個のうち8個が米国、1個がスウェーデンに輸出される。国内向けは現在建設中の北海道電力泊3号機向けの容器だけだ。
神戸市内にある蒸気発生器の製造工場でも、生産ライン上にある5本の製品のうち2本が米国向け。これまで工場で生産した累計100本のうち9割は日本向けだったが、今後は海外向けが増加するという。「5年前には考えもつかなかったが、輸出なしでは操業レベルは維持できない」(工場幹部)状態だ。
原発は現在国内で52基が稼働中。大半を国内メーカーが造った。毎年1〜2基のペースで新設された計算だ。ところが経済産業省は今後、2030年度までに原発新設数を10基程度と見込んでおり、メーカーにとっては需要の大幅な縮小が確実な情勢だ。
国内の原子炉の約4割を製造してきた三菱重工神戸造船所は昨年、輸出営業グループを「課」に格上げし、設計部門で輸出専門チームを発足させた。とくに重視しているのが中国と米国だ。急速な経済成長で電力不足を懸念する中国政府は国内各地で原発の新増設を計画している。
一方、米国では70〜80年代に稼働を開始した原発が老朽化しており、部品取り換え需要は増加の一途だ。三菱重工の浦谷良美常務(原子力事業本部長)は「国内で長年培った技術力は海外で強い競争力を持っている」と話す。現在は年100億円程度の輸出額を数年後には2〜3倍に伸ばせる、と強気だ。
(11/25)
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