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急増する鋼材需要や原料高に直面している鉄鋼業界で、新たな製鉄方法が注目を集めている。「直接還元法」と呼ばれる工法は、生産規模は小さいものの、高炉のような莫大(ばくだい)な建設費用がかからず、粉状の安価な原料でも使えるのが特長だ。中小の鉄鋼メーカーでも導入が可能で、今後、国内外で普及する可能性がある。
従来の製鉄方法は、高炉の中に、鉄鉱石と、高級な石炭(原料炭)からつくるコークスを何層にも積み重ね、下から約1500度の熱風を吹き込む。気化したコークスが機能して鉄鉱石から酸素を取り出す「還元作用」を起こし、純度の高い鉄を生成する仕組みだ。
これに対し、直接還元法は、一般の石炭を使う。鉄鉱石と石炭を混ぜて粒状にし、固体のまま「還元」する仕組み。炉の中で熱風の「通り道」を確保する必要もない。このため、高炉に比べて設備の規模は小さい。
神戸製鋼所が独自に開発し、昨年4月に販売を始めた「FASTMELT」の建設費は約100億円。大型高炉の6分の1程度の年50万トンの銑鉄を生産する能力がある。製造時間は高炉の8分の1と短いうえに、ほぼ同質の銑鉄ができる。成約はまだだが、現在国内外の複数の製鉄メーカーと交渉中という。
JFEスチールは現在、東日本製鉄所(千葉地区)で、石炭を使った直接還元法の設備の実証実験中で、05年度に年産50万トン規模の技術の確立を目指す。韓国のポスコは実証実験を終え、自社での本格的な生産に向けて工場を建設中だ。
中国を中心とした旺盛な鉄鋼需要で、国内の鋼材の供給不足が懸念されている。しかし、高炉建設は「数千億円が必要で、投資リスクが高すぎる」(三村明夫・新日本製鉄社長)のが難点だ。また、原料炭の価格もはねあがっており、鉄鋼会社を取り巻く環境は厳しさを増している。
神戸製鋼所では「低リスクで、原料の調達コストも安くすむ直接還元法のニーズは今後、強まる」(新鉄源プロジェクト本部)とみており、05年度に約200億円、06年度には約300億円の売り上げを見込む。
(01/06)
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