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【〈紙面から〉経済を読む】
 
百貨店、揺らぐ「主役」 有力専門店の攻勢続く

 スーパーや百貨店の調子が上向かない。衣料専門店や家電量販店、ドラッグストアなどに客を奪われ、04年は台風や暖冬などの天候不順にも足元をすくわれた。長年小売業界の主役の座にあった百貨店のすぐ後ろには、コンビニエンスストアが迫っている。家計が支払う公的負担も増加傾向にあり、今年も厳しい消費環境は続きそうだ。

    ◇

 「復活」をかけて正月商戦に突入した百貨店各社の初売りは、福袋人気に加え、年明け早々にスタートした冬物のクリアランスセールの売り上げも好調だった。だが、客足はすでに落ち着き、正月の勢いはなくなりつつある。

 昨年の百貨店の既存店売上高は2.8%減。下げ幅は03年と同程度で、売り上げ減少が止まる兆しはまだない。大手百貨店各社の業績は増益傾向にあるものの、店舗閉鎖や人件費圧縮などのリストラで減収をカバーしているのが実情だ。百貨店業界では昨年、「何とか増収への足がかりをつかみたい」(鈴木弘治・高島屋社長)との機運が高まったが、「反転攻勢」の年にすることはできなかった。

 百貨店・スーパーの低迷の最大の要因は、衣料品の販売不振にある。暖冬の影響でコートなどの防寒衣料が振るわず、衣料品の売り上げは百貨店が5.0%減、スーパーは7.3%減と大幅に落ち込み、全体の足を引っ張った。

 連日の猛暑に見舞われた昨夏は消費拡大が期待されたが、暑さで外出を手控える人が増えて客足が鈍り、猛暑も追い風にはならなかった。スーパーでは、昨年4月に導入された消費税の総額表示の影響で、消費者に「割高感」が広がったこともマイナスに働いた。

 初めて売上高が7兆円を突破し、百貨店に迫るコンビニ業界も悩みは深い。コンビニの成長は、前年より約1200店増えた「出店攻勢」に支えられているのが現状だからだ。

 ファミリーマートは05年2月期末までの1年間に国内で約310店、セブン−イレブン・ジャパンは約650店増やす計画で、全体の売上高は増える見込み。だが、昨年の既存店売上高は、同0.7%減と5年連続のマイナスだ。

 7月に猛暑で売り上げを伸ばしたが、それ以外の月は伸び悩んだ。来店客数は2年ぶりに増えたが、一人が買う品数が減っており、「本当においしいもの、必要なものしか売れなくなっている」(セブン−イレブン)という。

 一方で、強みの分野を持つ有力専門店の攻勢は続く。家電量販店最大手のヤマダ電機が05年3月期に小売り専門店として初の連結売上高1兆円を突破する見通しのほか、ドラッグストア最大手のマツモトキヨシも今期は最高益を更新する見通し。カジュアル衣料専門店「ユニクロ」を展開するファーストリテイリングも04年8月期に3期ぶりの増収増益を確保した。

 景気は踊り場にさしかかっており、昨年の百貨店の売り上げも上半期より下半期の方が下げ幅が大きい。来年には定率減税の縮小も予定されており、「可処分所得が増えないなか、すでに心理面でマイナスの影響が出ている」(川島宏・日本チェーンストア協会会長)との声もある。個人消費の本格回復の兆しはまだ見えない。

(01/25)


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