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ソニーの苦境が続いている。主力のデジタル家電やゲーム事業の不振が響き、年末商戦が期待された05年3月期の第3四半期決算は、前年同期と比べて減収減益に終わった。
同社は商品ごとに戦略の見直しを急いでいるが、デジタル景気が曲がり角に来ていることもあって、かつての「輝き」を取り戻すには相当の時間がかかりそうだ。
「われわれが砂から作ったブラウン管とは付加価値が大きく違う」。東京証券取引所で会見した井原勝美副社長は、薄型テレビに代表されるデジタル家電で利益率の低迷に苦しむ理由を、こう表現した。
数々の独自技術を詰め込んだブラウン管テレビは、ソニーの内製部品が多く使われ、コスト削減の余地が大きかったために長く利益を稼ぐ商品であり続けた。ところが最近の主力製品である薄型テレビでは、ソニーは核部品のパネルを内製せずに、他社から調達している。液晶テレビで完成品に占めるソニーの内製率は10%に満たない。
「液晶やプラズマのパネルを持たないことが、市場の変動に強くなる秘訣(ひけつ)だ」。ある幹部は昨年春、こう言い切っていた。設備や研究開発投資が巨額で、価格が下がりやすいパネルは他社に任せ、ブランド力で最終製品を売りさばく作戦だった。しかし核部品を調達してテレビを作る戦略は参入障壁が低く、ライバル社も次々と商品を投入。激しい価格競争に陥り、薄型テレビの市場価格は1年で2割〜3割も下がった。
このためソニーは今年度、内製率の向上にかじを切った。韓国サムスン電子との液晶パネルの合弁生産が今春に始まれば、「液晶テレビの内製率は5割になる」(幹部)。ただ、2千億円に上る巨額投資の償却負担は今後5年間続く。
携帯音楽再生機では、商品戦略の見誤りが響いている。米アップルコンピュータに後れをとった同社は昨年7月、ハードディスク内蔵型の「ウォークマン」を投入した。しかしその1カ月前には、機能が似た「VAIOポケット」を発売している。パソコン部門が開発したもので、経営資源が分散された形になった。
さらに独自の圧縮技術にこだわったために消費者離れを引き起こし、世界的に広がっている「MP3」を後になって採用した。昨年11月、こうした混乱を繰り返さないために、ソフトと機器を一括して開発する「コネクトカンパニー」を立ち上げた。しかし商品が出るのは早くても今年末で、これも収益への寄与には時間がかかりそうだ。
ゲーム事業で期待がかかるプレイステーション・ポータブル(PSP)は、1月下旬までに80万台を出荷した。現在も品薄状態が続くが、ボタンが反応しないなどの初期不良で出荷台数の約0・6%が修理対象になり、不良品率を抑えつつ増産するのに苦慮している。価格も任天堂機に対抗するため抑えたため、PSP事業の黒字転換は05年後半になる見通しになっている。
(01/28)
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