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【〈紙面から〉経済を読む】
 
脱「堤支配」の波紋

 米経済誌に「世界一の金持ち」と書かれ、政・財・スポーツ各界への影響力を誇ってきた堤義明コクド前会長が3日逮捕され、経済界に改めて衝撃が走った。一方、相続税対策などで有力企業が複雑にからみあう「堤王国」の解体作業が、西武鉄道・コクドグループの経営改革として加速するが、不採算施設の閉鎖などに不安を抱く地方自治体との交渉難航も予想され、脱「堤支配」の波紋は大きく広がりそうだ。

◆どうなるリゾートリストラ 自治体恐々

 グループ再編では、5月にも西武鉄道が臨時株主総会で新経営陣選任、今秋にはコクドの新旧会社への分割とその後の合併が予定される。焦点は、同時に検討が進むスキー・ゴルフ場、ホテルのリストラの行方だ。

 雪不足や景気低迷で「全体の売り上げが前年同期と比べて2ケタ近い落ち込み」(コクド首脳)と現状も厳しい。だが、関連施設を抱える自治体は、地域の盛衰がかかるだけに必死だ。

 秋田県北部の阿仁(あに)町の幹部は、早々と1月にスキー場の継続をコクド側に要請。県とともに誘致したのは87年。年間観光客約35万人のうち7万3000人が西武の施設利用者で、町の担当者は「冬場以外もスキー用のゴンドラを動かしてもらい、高山植物や紅葉を楽しむ客を運んでもらっている」と気をもむ。

 北海道上士幌(かみしほろ)町は80年代前半に誘致したスキー場をコース延長などで改修しつつ、多い年は年17万人の客を集めてきた。近くの糠平(ぬかびら)温泉街も波及効果で潤っており、町にとってスキー場は大きな財産だけに、町職員は「心配だ。コクド側の意向を早く知りたい」。

 西武グループ経営改革委員会は、各地に点在する約160施設のうち、4分の1を不採算と指摘。その多くは年間の地域収支が赤字の北海道と東北、新潟県にあると見られる。

 コクドの大野俊幸社長は2月末の記者会見で「東北、北海道で事業所がある自治体のほとんどから、施設継続の陳情を受けた」と話した。赤字が続くプロ野球球団・西武ライオンズの扱いも含め、経営改革を進める側にとっても、事業の採算性と地元への配慮の間で悩む場面も出てきそうだ。

◆含み益膨大 揺るがぬグループ

 堤前会長が、逮捕直前まで滞在したと見られるのは東京プリンスホテル(東京都港区)だ。4.9ヘクタールに及ぶ敷地の時価は、ピーク時の半値以下になったとはいえ「数百億円はくだらない」(不動産関係者)とされる。一方、取得時の価格である「簿価」は6000万円。「グループ全体の経営が揺らぐ恐れは、まずない」とされる、膨大な含み益の一端だ。

 同ホテルを含めて東京都心のプリンスホテルの土地を保有するのが西武鉄道。堤前会長が問われた二つの容疑は、いずれも同鉄道株を上場させ続け、グループ全体の信用力の支柱として維持しようとしたことが発端だ。

 グループの持ち株会社の役割を果たしてきた非上場企業のコクドは、保有する鉄道株を背景に銀行団から無担保で借金してきた。90年代半ばから収支が悪化すると、コクドは鉄道株の売却で決算を繕った。

 そのコクドの大株主は堤前会長。親族の住居を会社所有とするなど堤一族の固定資産税負担を減らすと同時に、コクドも銀行借り入れをてこに事業を拡大。利払い負担で利益が圧縮され、法人税を低く抑えられたとされる。さらに、コクド株の相続税負担や株の分散を免れるために、コクド株でも他人名義を使って偽装していた疑いが指摘されている。

 2月末、堤前会長は、グループの経営改革委員会と銀行団が打ち出したグループ再編案に同意した。コクドを堤前会長の資産管理会社(旧コクド)とホテルやゴルフ場、スキー場を経営する事業会社(新コクド)に分割。新コクドを鉄道、プリンスホテルと合併させる内容だ。新西武鉄道は最大2000億円の増資を実施し、堤前会長の影響力が残る旧コクドの出資割合は、数%程度まで縮小される見通しだ。 (03/04)


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