大手量販店「ドン・キホーテ」(本社・東京)が取引先に対する優位な立場を利用し、納入業者に対し、不当に従業員の派遣や協賛金を求めたとして、公正取引委員会は9日、独占禁止法違反(不公正取引)で違反行為をやめるよう排除勧告した。
公取委によると、同社は03年以降、新規店舗の商品の陳列を日用雑貨や食料品などの納入業者にさせるため、従業員の派遣を要請。弁当を支給しただけで、少なくとも延べ5200人を33の店舗で働かせた。また、商品を密集させて天井まで積み上げた陳列の棚替え作業などへの協力を、事前の合意がないのに強要。納入業者は延べ約1万8000人を出したとされる。
新規店舗に対する「協賛金」では、04年5月から7月にかけて、約1年前までさかのぼり、初回納入金額の約10%か、全納入額の1%の資金提供を要求。約600社から2億9200万円を受け取ったという。
こうした行為について公取委は、取引上の立場が納入業者よりも優位なことを利用したもので、独禁法が禁じた不公正な取引方法にあたる、としている。
同社は「激安の殿堂」を看板に首都圏を中心に104店舗を展開。04年6月期の売上高は約1903億円。
同社は公取委の立ち入り検査以降、自社のホームページで容疑を否定。今回の勧告については「受理するかどうかはパートナー企業各社と相談のうえ、慎重に決定したい」とコメントしている。
(03/09)
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