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ブッシュ米大統領は米東部時間の9日朝(日本時間同日深夜)、バグダッドの情勢について「これは歴史的な瞬間だ」と述べ、フセイン政権が崩壊にさしかかったとの考えを示した。フライシャー米大統領報道官が発言を記者団に伝えた。
同報道官によると、大統領は「自由への欲望を消すことはできない。イラク国民は与えられた機会をつかんだ」と述べた。ただ、「テレビに映っているのはバグダッドの一部に過ぎず、危険な地域も残っている」と述べ、フセイン政権の影響力がなおバグダッドの一部や地方に残り、「戦争は依然として進行中」との認識を示した。フセイン大統領の所在については引き続き確認できないとしたうえで、「彼は亡命の機会を逃した」と述べ、もはや亡命は容認できないとの考えを示した。
米陸軍第3歩兵師団のブラント司令官は9日、「もはや政府は残っていない」と記者団に語った。イラク側で戦闘を続けているのは民兵などの非正規兵だけだという。AFP通信が伝えた。
バグダッド中心部を流れるチグリス川の西岸に展開していた米陸軍第3歩兵師団はイラク時間の9日昼(日本時間同日夕)、約20両の戦車などでジュムフリア橋を渡り、東岸旧市街の中心部タハリール広場に進んだ、と英ロイター通信が伝えた。衛星テレビのアルジャジーラによると、外国人記者が拠点とする東岸のパレスチナ・ホテルの周囲にも米海兵隊の戦闘車両数台と戦車4両が展開した。
米海兵隊は同日午後、東岸のバグダッド大学付近でイラク側から攻撃を受けた、と米CNNテレビが伝えた。米AP通信は、首都北東部にある内務省ビルの屋上からイラク民兵からとみられる銃撃を受け、海兵隊が応戦したと報じた。カタールの米中央軍前線司令部のブルックス准将は「残存勢力にはまだ戦闘能力が残っており、大量破壊兵器を使う意図があるかもしれない」と述べた。
ロイター通信によると、海兵隊は首都東岸中心部のイラク秘密警察本部の建物を確保した。また、AFP通信は、市西部にあるバース党の軍事訓練施設に米軍部隊が入ったと伝えた。
また、首都南東部のラシッド空軍基地を制圧した米海兵隊第1海兵師団は同日未明、市内北東部から反体制意識が強いとされるイスラム教シーア派地区サダムシティーに侵攻、さらに首都中心部に向けて進んだ。
同師団に従軍しているロイター通信の記者によると、同師団はほとんど抵抗も受けず、一部の住民から拍手と歓声で迎えられた。
バグダッドでは同日、市内各地で略奪が発生、全土にも広がった。政府機関や高官の自宅が次々と襲われ、家具や電気製品などが奪われた。フセイン大統領の長男ウダイ氏が会長を務めるオリンピック委員会の建物も襲撃された。同通信によると、治安警察官の姿は朝から見えず、略奪やフセイン大統領の肖像画を破ったり、像を倒したりするなどの行為に対する取り締まりはなかった。
フセイン大統領の消息は9日午後8時(同10日午前1時)現在、わかっていない。8日まで連日、記者団の前に現れていたサハフ情報相は9日、姿を見せなかった。政権指導層がそろって逃亡したとの情報もある。英国のブレア首相は同日、「降伏は政権のしかるべき人物が宣言しなくてはならない」としたうえで、「ただ、それが今は誰なのかわからない」と語った。
米陸軍幹部は同日、米CNNテレビに対し「(バグダッドの)イラク軍の大多数はすでに戦闘を放棄した」と発言した。
AFP通信によると、フセイン大統領の出身地ティクリートに対し、米英軍が空爆を実施した。
イラク北部では、米英軍の支援を受けたクルド人勢力が中心都市モスルに迫った。
(04/10 01:43)
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