■ファッション・クロニクル

 日本人と外国人との間に生まれた「ハーフ」の子どもは、どれくらいいると思いますか。厚生労働省の2012年の調査では、日本の新生児の50人に1人がハーフです。それより25年前の1987年は、143人に1人でした。日本はいま、急速に変化しています。そのことを知ってほしくて、ハーフの本音や悩み、生き方に迫った映画「HAFU」をつくりました。

■日本でショック

 私の母はアイルランド系アメリカ人で、父は日本人です。私は東京で生まれ、フィリピンや中国、ハワイ、東京都内や千葉県内の学校に通いました。

 ニューヨーク大学で映画を勉強した後、日本の大学院に進むことになりました。日本に戻って初対面の人に言われたことが「お国はどこ?」「『めぐみ』に見えないね」。

 アメリカでは外見の違いで何か言われることはなかったし、私はずっと「めぐみ」として生きてきたので、ショックでした。同時に自分のアイデンティティーに興味がわき、映画の製作につながりました。

 タイトルを「HAFU」にしたのは、「ハーフ」って日本の言葉になっているし、一番定着した呼び方だと思うから。

 フェイスブックで人を探し、日本人とガーナ、オーストラリアなど4人のハーフと、日本人とメキシコ人の夫婦とその子どもに、1年以上取材しました。

■日本人が抱くハーフのイメージと現実

 韓国人と日本人のハーフである女性は「『ハーフ』という呼び名を私は使えない」と話していました。日本人が抱くハーフのイメージが、白人系のモデルやタレントだからです。でも現実の日本では、日本人と、中国人や韓国人とのハーフが多いんです。彼女たちは外見でハーフと認識されないことが多く、目に見えない部分もあります。

 日本でいじめられたり孤独を感じたりしても、次第に両方の国の良さに気づき、自分ならではの活動を始めた人もいます。

■ハーフは多様

 映画をつくる前まで私は、バイリンガルでインターナショナルスクールに通ったハーフと、米国育ちで日本語を話せないハーフにしか会ったことがありませんでした。でも、日本育ちで日本語しか話せないハーフや、大人になるまで自分以外のハーフに出会ったことのない人もいて、想像以上にハーフは多様でした。

 私は、自分が様々な背景を持っていることを隠す必要はないと思います。そして、ハーフのことに限らず、色々な人がいていい、お互いを知ることは楽しい、という方向に日本はこれから進むのか。その選択をするのは、いま日本に住んでいる人なのです。

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 にしくら・めぐみ 1980年生まれ。映画「HAFU」の共同監督。映画は昨年、東京やアメリカ、スイスなどで上映され、2月に大阪、3月は名古屋、4月は京都で上映予定。(構成・大井田ひろみ)