■フィリップ・フリッチさん(34)

 日本の会社に勤めていた頃、不思議に思ったのが、周りの男性に子どもの年齢を尋ねると、「あれ、今、何歳だっけ?」と、即答できない人が少なからずいたことです。

 共働きが主流のフランスでは父親も日常的に保育園の送迎や夕飯作りなどをします。子どもの年齢がすぐ答えられないというのは驚きでした。

 お金を稼ぐことは大事ですが、日本では残業や接待で週末も働き、気付けば家庭に居場所がなかったという話もよく聞きます。切ないですね。

 フランスでは、仕事のために家庭を犠牲にする人は少数派です。仕事はあくまで人生の一部。共働きなら、男性だけが頑張らなくても良いのです。私の両親も共働きでしたが、父は寝る前によく本を読んでくれました。定年後の今も、夫婦で旅行やスポーツを楽しんでいます。

 私は昨秋起業しました。収入は減りましたが、2歳と10カ月の2人の息子たちの成長ぶりを間近で見られる日々に、幸せを感じています。(構成・前田育穂)

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 オーガニックのベビー用品を扱うウェブショップ「テール・ド・シゴーニュ」経営。日本人の妻、息子2人と東京都在住。