■「ハンサムマザー」はとまらない:19

■今尾朝子

 VERY誌面の連載小説、辻村深月さんの「クローバーナイト」第2章は「ホカツの国」のタイトルで始まりました(2014年8月号~)。認可保育園に確実に子供を入れたいために偽装離婚の話が持ち上がり……。これは小説の中の話ですが、都心では保育園に子供を入れるハードルが高く、実際に転居までしたという話はよく聞くところです。

 認可園の選考基準である指数(点数制)を増やすため、早めに復職して、認可外の保育施設などに預けて加点を狙ったママたちも多かったよう。「本当は育休期間をしっかり使い切り、子供とべったり過ごしたかったけれど、認可に入るためにはしかたなかった」。こういう声を多く聞きました。ただし、それで入れる保証があるわけではなく、仕事を辞めることにしたというママも。

 「私が週5出勤のフルタイムワーカーではないので、そもそも点数が低く、0歳児枠の認可は諦めました」といったフリーランスやパート的な働き方のママが多いのもこの世代。そうした方々の中には独自の採用基準の認可外の保育施設に的を絞り、妊娠中から申し込みしたという人も。

 「うちの区は同じ点数だと世帯所得で決まっていくので、高齢出産共働きはとっても不利。今までまじめに働いて納税してきたのに……」。認可園の絶対数が足りていない状況では、どの家庭にも納得のいく入園選考になっていないのが課題です。

 妊娠中も働き、産後は眠れない怒涛(どとう)の育児をしながら、この矛盾の多い保活を乗り越え、さらに想像を超える仕事と育児の両立が待っている……。すでに十分頑張っているママたちだけに、努力が結果に直結しない保活が与えるストレスはかなりのもの。区からの選考通知の封を切る手が震えたというママの言葉に切実さがにじんでいました。(VERY編集長)