育休取った! パパ充実の日々が終われば、仕事との両立生活の始まり。妻は「早く帰ってきて」といい、職場では「以前通り」を期待される。その板挟みに、パパはモヤモヤしています。

 

 「今思うと、僕の時短勤務時代が家族にとってベストでした」。東京都内のIT企業に勤める男性(31)は、同い年の妻と長男(3)との2年前を振り返った。

 子育てに対する憧れは学生の頃から強く、結婚式に招待した上司の前で「将来は育休を取ります」と宣言、布石を打った。仕事は激務で日付が変わる前に帰宅することはまれだったが、長男が生後8カ月のときに、専門学校に復学した妻と入れ替わりで3カ月の育休を取得。その後、「慣らし期間として」1カ月間、午前9時から午後4時までの時短で働いた。

 昼休みも惜しんで机に向かい、保育園のお迎え、夕飯の買い物をして5時半に帰宅する。家族3人で食卓を囲み、お風呂に入れて、絵本も3、4冊は読んだ。「妻との会話も多く、ゆとりがあった」

 しかし理想の日々は続かない。配置換えでいった職場は、週2回は定時に退社できるが、それは残業代の激減という形で家計を圧迫した。周囲に共働き家庭の先輩はいない。子どもの通院で遅刻するときも言い出しにくかった。その後、妻は第2子を出産するが、育休は申請しなかった。「妻から取ってとも言われませんでした」

 いまは、残業で遅い日も、流しにたまった一日分の食器を洗う。子どもたちと寝ている妻に、「話が聞けなくてごめんね」と心の中で謝る日々だ。

 キャリアへの悩みもつきない。「作業」はこなせても、価値を生み出す、本当の意味での「仕事」はできていない気がする。それが家庭のせいとは言いたくない。「ただ、周りからは『もっと前のめりに』と思われていそうで」

(前田育穂、中村瞬)