■ファッション・クロニクル

 私は都内の高校に入学し、最初の三者面談で「物理を頑張らないと東大は難しい」と言われました。自分のいいところを伸ばしてくれる学校に行きたいと中退し、奨学金を使ってカナダの全寮制高校に入りました。メキシコ人の同級生は実家が貧しく、6人きょうだいのうち高校に進めたのは彼女だけ。機会は均等ではないと知りました。

■学校をつくろう

 大学で開発経済学、大学院で教育学を学び、ユニセフでフィリピンの貧困層教育に携わりました。やりがいはありましたが、貧富の格差は縮まりません。トップ層の意識を変えられる人材を育てなければと痛感しました。

 そんなとき、多様性ある学校づくりの構想を温めていた人を紹介され、「リーダーを育てる学校をつくろう」と決めました。08年夏に帰国し、学校の場所や教員探し、資金集めなど準備を開始。長野県軽井沢町の全寮制高校「インターナショナルスクール・オブ・アジア軽井沢(ISAK)」設立準備財団の代表理事に就きました。

■子ども

 その後、長男を授かりました。結婚10年目のことです。結婚後6、7年は「子どもは、仕事が落ち着いたら」と思っていましたが、仕事が落ち着くときなんて多分、永遠にありませんよね。生まれたら、何とかなります。いま、2人目を妊娠中です。保育園に入れるかが大問題です。

■ISAK

 ISAKは、約7400坪の敷地にあり、1学年の定員は50人です。うち約7割が留学生になる計画です。各国の大学受験または入学資格を得られる「国際バカロレア」の認定も受ける予定です。学費と寮費をあわせ年間計約350万円ですが、最大5割の生徒に奨学金を出します。

 11月からは東京や大阪でも説明会を開き、生徒募集を始めます。アジアやグローバルな世界で変革を起こせる人を育てることを目指します。どの分野でも新しい価値観を生み出せる人を輩出したいです。

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こばやし・りん

インターナショナルスクール・オブ・アジア軽井沢設立準備財団代表理事

1974年生まれ。グローバル時代のリーダーを育てる全寮制高校を、2014年夏に開校予定。生徒の約7割は留学生にする計画