■ファッション・クロニクル

 僕が7、8カ月の頃、父の実家で撮影した写真です。母は、帽子をよくかぶっていました。「それだけでおしゃれができるから」って。昔の写真を見ると、当時流行したチューリップハットや、ちょっときれいめな服装に合わせたトークハットなど、いろんな帽子と一緒に写っています。今も、外出する時はいつもかぶっています。

 幼少期の僕の写真も、帽子をかぶったり、頭に花を乗せられていたり、という写真がけっこうあります。4歳下の弟は今も帽子が好きで、すごいいっぱい持っていますよ。僕はほとんどかぶらないんですけど……。

 母は流行やブランドに関心がありません。そこは僕と似ている。服だって、自分がいいと思ったものだけを選ぶ。自分の感性を大事にする、と言ったらかっこよすぎかな。

 「表現」という部分も、母の遺伝かもしれません。僕は映像を通じて表現活動をしているわけですが、母はサークルに入って、ハワイアンダンスや音楽活動などをしていました。よくよく振り返ってみると、親子って不思議なところで似ていますよね。

(聞き手・中村瞬)

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ごうだ・とも 1973年生まれ。2010年に出産を通じて命の尊さや人間の絆を考えるドキュメンタリー映画「うまれる」を制作。全国で上映会を行う。「家族とは何か」を問う次回作を来秋、公開予定。1児の父