大介護時代
老後の暮らしを支えるために欠かせないのが、介護保険サービスとともにお金です。しかし、それは家族やまわりをもめごとに巻き込むきっかけになりかねません。
お金がかかる施設介護から在宅へ。国がそんな将来像を描く足元では、介護をする人も、される人も65歳以上という「老老介護」が同居家族介護の半分となり、家族の介護力は細る一方です。家で暮らし続けるとは、どういうことなのか。
外出して歩き回る「徘徊(はいかい)」と呼ばれる行動は、認知症の症状のひとつです。行方不明になることも、危険な目に遭うこともあります。認知症男性の鉄道事故の裁判で、妻に監督責任があるとの判決が4月に出ました。家族や施設、地域はどう向きあえばいいのか。
働きながら介護を続ける人は約291万人いる。介護責任を誰が担うのか。日本は誰もがその問いに向き合わねばならない時代を迎えた。