東京電力福島第一原発の事故をめぐる損害賠償の交渉で、福島県大熊町の被害者について「原子力損害賠償紛争解決センター」(原発ADR)が示した和解案に対し、東電が26日、「住宅の損害分は全額支払う」と回答したことがわかった。
東電の賠償基準では住宅の損害分は支払い対象に含まれておらず、東電によると、原発事故で住宅の賠償に応じる意向を示したのは初めて。仮に和解が成立すれば今後、住宅の賠償手続きが進む可能性がある。
センターに仲介を申し立てていたのは、原発から約5キロの大熊町から東京に避難した佐藤龍三さん(72)。家屋の損害について「放射線量が高く、価値がゼロになった」と2600万円の賠償を請求。センターは築約12年であることを考慮して約1340万円の和解案を提示した。佐藤さんを支える弁護団によると、東電は当初、「除染方法が明らかでなく損害を判断できない」と賠償に応じない姿勢だった。