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関西の塾が「難関中学文化祭ツアー」 やる気アップ狙う

2008年5月16日8時38分

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写真生物研究部のカメの解剖実験に集まった大勢の子どもや親たち=3日、神戸市東灘区の灘中学・高校写真地学研究部が発表する教室で鉱物などに見入る小学生たち=3日、神戸市東灘区の灘中学・高校

 関西系の進学塾が難関私立中学の「文化祭ツアー」に力を入れている。子どものやる気を引き出すのが狙いで、1校に300人を連れて行くところもある。関東系の塾で文化祭に引率する例はほとんどなく、専門家は「そこまでやるか、というのが関西流」と指摘する。

 3日、1万人前後が訪れた神戸市東灘区の灘中学・高校の文化祭。小、中学生と保護者の姿が目立つ。派手な光を放つ「化学マジック」、教室一つをそっくり占領した鉄道模型のレイアウト、カメの解剖実験……。教室内での発表が人気を集めていた。

 「発想がすごい」。声を上げたのは進学塾「希(のぞみ)学園」(本社・大阪市淀川区)に通う小学6年の中木駿汰(しゅんた)君(11)。数学研究部の高校1年の部員に部のオリジナル問題の解き方を教わり、感激した様子だった。

 やはり6年の荒木裕行君(11)も「全然わからない」と言いながら、生物研究部のクイズに夢中になっていた。

 「この『あこがれ』が大事なんです」。引率していた講師の黒田耕平さん(32)はうなずきながら話した。

 希学園はこの日、関西一円の教室に通う小学5、6年の塾生約300人を連れてきた。「雰囲気が『行きたい』という気持ちを強くさせる。塾生の志望校の文化祭は可能な限り行く」と入江一郎副学園長。神戸女学院(9月)、大阪星光学院(11月)など関西の中学だけでなく、東京の教室も麻布(5月)や開成(9月)などへ行く。東西合わせて毎年十数の中学の文化祭に引率するという。

 文化祭ツアーはもともとは関西の一部の塾が始め、「うちも、ぜひ」という保護者の声にも押され、約10年前から広まりだしたという。

 「浜学園」(本部・兵庫県西宮市)も、「灘中合格」と書いたはちまきを締めた講師たちが塾生と保護者ら数百人を灘中・高校の文化祭に連れて行った。灘を含め4校の文化祭見学が恒例行事だという。橋本憲一学園長は「『周りが受験するから』と何となく塾に通うような子を本気にさせるには効果的」と話す。

 ただ、関東の文化祭では塾の影は薄い。

 3〜5日に文化祭を開いた東京都港区の麻布中学・高校。担当者は「学校の実態を見てもらう一番いい機会」と塾生も歓迎するが、実際に引率してやってくる塾は「関西系の希学園ぐらい」。

 関西では灘などへ引率している全国大手「日能研」も、関東ではツアーを開かない。「学校選びは家族の責任です」と広報担当者。「サピックス」(本部・東京都中央区)も各校の文化祭の日程を知らせたうえで、家族での参加を呼びかけている。

 中学受験に詳しい森上教育研究所(東京)の森上展安代表は「関西は関東に比べ難関私立中の入試問題が難しいうえに、各校の入試日程も重なり、受験生にとっては競争が厳しい。それが、『そこまでやるか』という関西の面倒見の良さにつながっている。どの塾も生徒のモチベーションをいかに上げるかに懸命なのだろう」と話している。(水澤健一)

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