2009年6月9日20時20分
昨年6月14日の岩手・宮城内陸地震で夫婦2人が行方不明になっていた宮城県栗原市花山の「白糸の滝」に向かうつり橋付近で9日、2遺体が見つかった。宮城県警は、歯型や身につけていた運転免許証などから、行方不明になっていた仙台市泉区の森正弘さん(当時61)と妻の洋子さん(同58)と確認した。
栗原市や築館署によると、遺体が見つかったのは、つり橋のたもとに近い土砂の中。重機で掘り起こし作業中、9日午前11時12分ごろに正弘さんの遺体が、午後1時55分ごろには洋子さんの遺体が見つかった。2人は折り重なるような状態だったという。
つり橋付近では地震当日、森さん夫妻とみられる男女が土砂崩れに巻き込まれるのを、すれ違った人が目撃。その後の捜索で森さんの車が止まっているのが見つかった。
捜索は昨年7月にいったん打ち切られたが、行方不明者家族の強い意向を受けて栗原市が再開を決め、今月8日から市消防本部や県警などが約30人態勢で捜索していた。
捜索の再開を訴え続けてきた正弘さんの姉、伊藤千秋さん(66)は、朝日新聞の取材に「まだ見つかっていない方もおり複雑だが、夢じゃないか、奇跡だと思った。本当にうれしい」と目頭を押さえた。また、記者会見した栗原市の佐藤勇市長は「残念なことだが、見つかってよかった。早く家族に返してあげたかった」と話した。
この地震では宮城、岩手、福島3県で森さん夫妻を含む15人が死亡し、8人が行方不明になっている。