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森林もメタボ化…排ガス窒素「食べきれず」渓流に影響(1/2ページ)

2009年6月14日10時0分

写真:森林総研は土や雨の成分を分析し、「森のメタボ化」の実態を調査している=茨城県石岡市森林総研は土や雨の成分を分析し、「森のメタボ化」の実態を調査している=茨城県石岡市

図:「森のメタボ化」のイメージ「森のメタボ化」のイメージ

 大都市周辺の渓流に高い濃度の窒素が流入していることが、群馬高専や大阪工業大などの調査でわかった。排ガスに含まれる窒素酸化物が長年降り注いだ結果、窒素を栄養分として吸収している森が窒素飽和の状態になり、吸収しきれない窒素が川に流れ出ている可能性がある。この「森のメタボ化」による窒素流出は、森の衰退や湖などの水質悪化につながるおそれがあるとして、森林総合研究所(茨城県つくば市)も調査に乗り出した。

 群馬高専の青井透教授(環境工学)らのグループが、首都圏の水源となる利根川の上流(群馬県安中市)で水質を計測したところ、窒素成分のひとつ、硝酸態窒素が1リットルあたり最大3.7ミリグラム、平均1.6ミリグラム検出された。湖沼などで定められている窒素の環境基準は同1ミリグラム以下。08年の1年分を積算すると、雨で降ってくるより1.5倍以上多い窒素が、森林から渓流に流れ出したことがわかった。

 調査地点周辺にはゴルフ場や畑など窒素の供給源がなく、山を越えた新潟県側や福島県側では濃度が3分の1から10分の1になることから、「首都圏から流れてくる自動車や工場の排ガスが原因だろう」と青井教授はみている。

 関西も同様だ。大阪工業大の駒井幸雄教授(水環境学)らが、六甲山最高峰の南斜面にあたる神戸市の住吉川上流の約38ヘクタールの森で雨水や渓流水を測定。02年から2年間で渓流の硝酸態窒素濃度は最大2.16ミリグラム、年間総計でも雨で降るより約2倍多い窒素の流出を確認した。

 08年7月から12月にかけて、流域に人家や田畑などの人為的な窒素の供給源がない大阪府内の渓流でも硝酸態窒素濃度を測った。その結果、212カ所のうち78カ所で1ミリグラムを超えていた。

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