2009年6月16日14時1分
文部科学省は16日、今年4月1日時点の全国の公立学校の耐震化状況を発表した。昨年6月の地震防災対策特別措置法改正により、幼稚園と小中学校、特別支援学校については耐震診断と結果公表が設置者に義務づけられたが、未診断の建物がある自治体は676(36.0%)、結果を公表していない自治体は320(17.0%)あり、違法状態が続いていることがわかった。
法改正で耐震化工事の国庫補助率を引き上げるなどした結果、市町村の負担は約3割から約1割に軽減されたが、財政事情を考えるとなお重荷だとする自治体は少なくない。耐震診断の結果公表も「住民の不安をあおる」とためらうところがある。文科省は是正の指導を強める方針だが、罰則がない法律にどう実効性をもたせるか、今後の課題になりそうだ。
文科省は今回、耐震診断の結果を公表しなかった自治体名を発表した。未公表の自治体が多かったのは北海道(60)、福岡(33)、福島(29)、青森(18)、大分(11)など。県庁所在地も5市(山形、福島、岡山、山口、宮崎)あった。
文科省は今後、自治体に耐震診断ができる建築士事務所の情報を提供するなどの対策も強化するとしている。
一方、住民に公表していない耐震診断結果も文科省には報告されており、同省のまとめによると、義務教育の小中学校で耐震性がある建物は67.0%で昨年より4.7ポイント増えた。
耐震診断が必要なのは、81年以前の耐震基準で建てられた約7万5千棟。調査によると、現在の耐震基準を満たさない構造耐震指標(Is値)0.7未満とされながら未改修の建物は、工事中のものも含め約3万8千棟で、対象物件の約半数だった。
都道府県別で耐震化率が高かったのは、神奈川93.4%▽宮城・静岡90.1%▽三重89.0%など。低かったのは長崎46.6%▽山口48.1%▽茨城50.5%など。