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道立ろう学校教諭、メーカー負担で人工内耳の海外視察

2009年6月22日15時0分

 耳の内部に埋め込んで音声を感じ取れるようにする人工内耳をめぐり、北海道立の北海道帯広聾(ろう)学校(帯広市)の男性教諭が昨年12月、オーストラリアの大手メーカー・コクレア社から大部分の費用負担を受けた上で、同国に研修旅行をしていたことがわかった。教諭は聴力について保護者の相談を受ける立場にあったといい、道教育委員会は道の倫理条例に基づく規則に違反する可能性があるとみて調べている。

 校長を通じた事情聴取に対し、教諭はコクレア社の負担による研修旅行を認め、他にも複数の国立大学や公立病院の医療関係者が同行していたと説明しているという。

 道教委や校長によると、この教諭は、当時の校長が「こんな企画がある」と校内で募ったのに応じ、有給休暇を取って約1週間渡航した。コクレア社の工場や施設を見学したり、人工内耳に関する講習を受けたりしたという。

 現校長は「研修の内容は専門性が高い。人工内耳の指導には知識が必要だ」としているが、ホテル代なども含めて数十万円かかったとみられる費用のうち教諭が支払ったのは4万5千円で、残りは同社が負担した。同社幹部宅でのバーベキューパーティーなどにも参加したという。

 道の規則は、職員が利害関係者から接待を受けることを禁じている。道教委は、難聴の子どもを日常的に教育する立場を利用し、コクレア社の利益に結びつけるような行為がなかったか調査している。

 人工内耳は手術を伴い、費用は数百万円かかるが、保険適用が認められれば自己負担は数万円程度ですむ。手話や口話によらず会話の道が開けるため、評価する声も多い。

 生まれつき耳が聞こえない人の場合、3歳ごろまでに装着しないと効果が薄いとされ、訓練も必要になる。道教委によると、帯広聾学校の児童生徒は、ほとんどが人工内耳を装着しているという。

 コクレア社は人工内耳の日本国内のシェアがトップだが、近年は他社の新規参入が続いているという。(古賀大己、小林舞子、天野みすず)

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