【荻原千明】鉄道会社が趣向を凝らした婚活列車のツアーを展開している。様々なイベントを設け、駅員らが恋のキューピッド役になって「愛のレール」を支える。パーティー形式より一緒に過ごす時間が長く、旅も満喫できるとあって、いくつもの社でキャンセル待ちや抽選になるほどの人気だ。
■世話焼く鉄道社員
6月上旬の日曜の朝。近鉄・大阪上本町駅(大阪市天王寺区)から三重県の伊勢・志摩に向け発車した特急電車に、35〜49歳の男女39人が乗り込んだ。近畿の人が多いが、千葉県や名古屋市からの参加者もいた。
「遠距離恋愛でも大丈夫」「料理に自信があります」。貸し切られた車両で、順にマイクを握って自己PR。中には口べたな人もいて、近鉄社員の男女5人でつくる婚活ツアー添乗スタッフ「チームおせっ隊」が助け舟を出した。大阪上本町駅の旅行営業所や信号所で働く面々だが、司会役として巧みなおしゃべりで場をもり立てる。
2時間弱で伊勢市に到着。参加者は夫婦(めおと)岩などを参拝してから、観光施設のお座敷で特別メニューの「出会い鯛(たい)づくし」の昼食を一緒にとった。近くの水族館に行った後、再び施設に戻り、トークタイム。申し出れば気になる人と2人きりで話せる。
ためらう人には「おせっ隊」が駆け寄り、「いいなと思うのは何番の方? 私が声をかけてきましょう」と背中を押す。