2009年6月30日4時2分
沖縄県・石垣島で建設が進む新石垣空港をめぐり、予定地の真下で見つかった洞窟(どうくつ)を流れる川の環境調査をするよう、県が調査を委託した専門家から再三求められていたのに実施していないことがわかった。環境影響評価書(アセスメント)に対して環境相から求められた追加調査とも密接にからむ問題だ。貴重なサンゴ礁で知られる「白保の海」がそばに広がり、赤土流出による環境汚染もすでに起きている。
県に調査を求めてきたのは、元日本洞窟学会副会長でNPO法人・沖縄鍾乳洞協会の山内平三郎理事長(61)。そもそも洞窟については県の委託で04年7月〜11月に測量などを行い、06、07年にも改めて調べたという。
その結果、洞窟の川は滑走路の下を3本横切って海の方に向かっていることが判明した。海岸の一部に集中して水がわき出していることから一定の水路があると推測されている。ふだん20〜30センチの水深は、雨が降ると1メートル以上になるという。洞窟の一つからは、約1万4千年前のものと推定されるイノシシの骨や人骨も見つかった。
県は環境アセスで、赤土を含んだ雨水は空港建設地内につくる浸透池などで濾過(ろか)し、赤土が海や川に流れ出すのを防ぐと説明した。これに対して環境相は05年4月、降雨などが川や海域に浸出する経路や量を追加調査で把握するよう、許可官庁の国土交通省に意見書を送った。
県は補正評価書を国交省に提出したが、新たな調査はせず、既存の降水量や地下水位などのデータに基づいて水の出入りを予測。「空港供用後に地表を流れる水の流動の変化はわずかで、地下水の変化はほとんどない」などと結論づけた。