「タコマ富士」や「ルソン富士」など富士山の名を冠した海外の山が、少なくとも23カ国・地域に54もあることがわかった。富士山展望ファンで筑波大付属高校(東京)の地理教諭田代博さん(62)らが調べた。多くは、移民や出征した旧日本兵が望郷の思いで名付けたものだった。富士山の山開きは7月1日。
田代さんは仲間と共に文献やインターネットで「○○富士」と呼ばれている外国の単独峰を探した。地図で山の存在が確認でき、さらに現地の日本人らに問い合わせ、呼称として定着しているものに絞った。
「タコマ富士」は、米国ワシントン州のシンボルであるレーニア山だ。「タコマ」はネーティブアメリカンの言葉で「水の源」との意味という。同州シアトル市周辺には多くの日本人が移住し、親しまれた。日本の富士山とは2003年に「姉妹山」になり、08年から山梨、静岡両県との間で教育交流プロジェクトも始まっている。
海外最大の日系人社会があるブラジルでは、サンパウロ州レジストロ市にあるボツポカ山が「リベイラ富士」と呼ばれる。周辺は最も古い日本人入植地の一つで、「日本移民ゆかりの地」。リベイラ川が流れ、日系人が開発に関わった。リベイラ富士は、日系人の俳句や短歌にも数多く登場しているという。