2009年7月3日1時12分
会見する大阪府の野田哲朗・地域保健感染症課長(中央)ら=3日午前0時14分、大阪府庁、筋野健太撮影
厚生労働省は2日、新型の豚インフルエンザに感染した大阪府在住の患者から、抗ウイルス薬のタミフルが効かない恐れがあるウイルスが見つかったと発表した。新型インフルでタミフル耐性が見つかったのは、デンマークに次いで2例目。今後、国立感染症研究所でさらに詳しい調査を実施する。
厚労省や大阪府によると、大阪府の患者は40代女性教師。新型インフル患者の濃厚接触者として5月18日からタミフルの予防投与を受けていたが、24日から微熱があり、29日に新型インフルエンザと診断された。その後、別の抗ウイルス薬リレンザを処方され、重症化することはなく治ったという。
患者の検体を大阪府公衆衛生研究所が遺伝子検査したところ、タミフル耐性を示す遺伝子の変異が見つかった。ただし、この患者以外の濃厚接触者らからはタミフル耐性ウイルスは見つかっていない。
デンマークでも6月29日に、タミフル耐性のウイルスが見つかっているが、世界保健機関(WHO)は「突然変異で耐性が生じたもので感染力が弱く、周囲に広がらない単発ケース」としている。
従来の季節性のAソ連型インフルエンザウイルスはほぼ100%タミフル耐性に変異している。大阪府公衆衛生研究所は、今回見つかった耐性ウイルスは、予防投与中に遺伝子の突然の変化で起きたものであり、Aソ連型インフルエンザウイルスの遺伝子が入り込んで耐性を得たものではないとの見方を示している。
厚労省は「国内で見つかったこの1例だけで、新型インフルの耐性ウイルスが今後、どれくらい出てくるかという評価はできない。今後も注意深く見守っていきたい」としている。
製薬会社の添付文書によると、国内外の臨床試験(治験)でタミフルを投与された季節性のインフルエンザ患者の0.32〜4.1%で耐性ウイルスが出たという。