【川崎友水】新潟県の佐渡島沖に生息し、「弁慶」の愛称で親しまれたコブダイの姿が見えなくなった。仏映画にも登場した人気者。老衰で死んだ可能性が高く、地元ダイバーらが6日朝、佐渡島で「お別れ会」を開いた。
特集:どうぶつ新聞弁慶は、1992年ごろから佐渡島の北小浦沖に生息し、体長1メートル超。大きなコブが、頭巾をかぶった武蔵坊弁慶に似ていると言われた。フランスのドキュメンタリー映画「オーシャンズ」(2009年)で、群れのナンバー2だった「ゴル」と激しく縄張り争いをする様子が紹介され、広く知られるようになった。
ダイバーらによると、近年は衰えが目立ち、昨年12月を最後に確認されていない。ゴルも昨秋から姿を消している。新潟大学理学部付属臨海実験所の安房田智司助教は「コブダイの寿命は30年ほどで、弁慶もゴルもそのぐらいの年齢だったのでは」と話す。
「お別れ会」にはダイバーらが集まり、浜辺近くの集会所に祭壇を設けて2匹に別れを告げた。弁慶を長年見守り、映画撮影にもかかわった本間了さん(67)は「自分の分身がいなくなったようで寂しいが、これも自然の流れ。これまで楽しませてくれてありがとうと言いたい」と語った。