【鳥居達也】福岡市中央区の九州朝日放送(KBC)が創立60周年を記念して、明治維新から現在まで約150年間の福岡・天神の変遷を描いた映像作品を制作し、今秋福岡市内で上映する。
タイトルは「福岡・天神時間旅行」。保管しているニュースフィルムと、公共機関や企業、視聴者の協力で入手した写真、最新のコンピューター・グラフィックス(CG)を組み合わせた約1時間の「デジタル映像絵巻」だ。
明治40年代に天神で開かれた博覧会や福岡城佐賀堀の埋め立ての様子を地図や写真、ロケ映像を用いて紹介し、「渡辺通り」の名前の由来となった明治期の呉服商、渡辺与八郎が街づくりにかけた情熱を再現ドラマで描くなど、様々なエピソードで歴史をたどる。中でも関係者の証言と特殊撮影映像を組み合わせて再現した「昭和15年の天神交差点」は苦心作だという。
福岡市出身の女優牧瀬里穂さんがナレーションと再現ドラマの文士役を務める。ロケで訪れた牧瀬さんは「今回、この話をいただいて初めて台本を読んだ時に、天神にもいろんな歴史があって、悲しい歴史もあったんだということに気づきました」と話した。
KBCは1953年創立、87年に本社を現在の福岡市中央区長浜1丁目に移転した。現社屋は北天神に近く、「『天神学』のベースになる映像資料を」(事業局)と企画した。
11月上旬から中旬に福岡銀行本店大ホールで上映後、KBCシネマなどで公開予定。その後は公共機関に貸し出すなど、郷土史の教材として役立てたい考えだ。