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【山口宏子】イラストレーターの和田誠さん(77)が、東日本大震災の被災者を支援するために描き続けた絵500点を収録した画集「画廊の隅から」(講談社)が出版された。
2011年3月11日、東京の自宅テレビで被災地の様子を見た和田さんは、何かしなければと強く思い、「僕にできるのは絵を描くこと」と、絵を売って義援金を募ることにした。東京・表参道の「HBギャラリー」(唐仁原〈とうじんばら〉教久代表)の協力を得て、翌4月から毎週、はがき大のカラー作品を10枚ずつ描いて販売。1枚1万円の売り上げをすべて被災地に送ってきた。
絵のテーマは音楽、映画、童話、旅、シェークスピア、マザーグース、本の挿絵や表紙など多彩だ。描き下ろしに加え、過去に描いたモチーフに再び取り組み、描き直した作品も多い。
50週500枚になったところで、ファンとして作品を何点か購入していた編集者が、全作品を紹介する画集の出版を提案。「画廊の隅から」(税抜き2800円)にまとまった。和田さんの印税と講談社の利益も義援金にする。
和田さんはいまも活動を続けており、絵は700枚を超えた。当面は「1千枚を目指す」という。