【山下弘展】来年のNHKの大河ドラマ「軍師官兵衛」にあやかろうと、主人公の黒田官兵衛を生かした観光PRが出身地の姫路市など兵庫県内各地で進む中、なぜか伊丹市の力が入っている。理由は伊丹ゆかりの武将、荒木村重(あらきむらしげ)が「官兵衛を幽閉した」から。何だか印象悪くも聞こえるが、積極的に企画を打ち出すという。
■「やっときたチャンス」
村重と官兵衛の運命が交錯するのは1578年。織田信長に重用されていた村重は突然反旗を翻す。説得に来た官兵衛を、村重は現在のJR伊丹駅周辺にあった居城、有岡城の地下に1年間幽閉した。城が織田軍の総攻撃を受けたとき、村重は家族や家臣を置いて脱出。官兵衛は救出されたが、やせ細り、左ひざが伸びなくなっていたという。その後官兵衛は、豊臣秀吉の軍師として天下取りを支えることになる。
ドラマに官兵衛が取り上げられることになり、「伊丹と村重にとって、やっと巡ってきたチャンス」と話すのは、伊丹市の上地秀治参事(都市ブランド担当)。県観光振興課によると、昨年の「平清盛」では清盛ゆかりの能福寺、真光寺(いずれも神戸市兵庫区)に、1年間で前年比の30倍となる計10万人の観光客が訪れたという。しかし、伊丹は清盛とは無関係で恩恵なし。幽閉とはいえ、1年間も伊丹にいた官兵衛は、村重PRに絶好の人物だという。