【岡崎明子】検診で見つかったが、死に至らない腫瘍(しゅよう)を、「がん」と呼ぶべきではない――。米国立がん研究所の作業部会がそんな見解をまとめ、29日付の米医師会雑誌に発表した。例えば乳がんの1〜2割を占める超早期がんは致死性はないのに、「がん」という響きが患者に恐怖感を与えるとし、別の呼び方が必要だと指摘した。
がんには、進行が早く亡くなる可能性が高いものから、進行が遅く無害なものまで様々なタイプがある。見解は、乳がんや前立腺がん、肺がん、甲状腺がんでは、検診により過剰な診断がなされる例が多いと指摘。特に乳がんの「非浸潤性乳管がん(DCIS)」などは、「がん」と呼ぶにはふさわしくないとした。
DCISは、乳管内に腫瘍がとどまっている状態で、マンモグラフィー検診の普及により見つかりやすくなった。検診率が70%台の米国では乳がん全体の約2割、30%台の日本でも約1割を占める。腫瘍部分を切除すれば完治する。
専門家チームは、検診の精度が上がり、普及することで「がん」と呼ばれる病気の範囲が広がっていると指摘。過剰な診断や診療を防ぐための対策が必要だとしている。