【佐藤仁彦】長野県松本市の柔道教室で2008年、力を加減せずに小学生を投げつけ、重い障害を負わせたとして、業務上過失傷害の罪で強制起訴された元指導者で柔道整復師の小島武鎮(たけしげ)被告(40)=同市=の初公判が1日、長野地裁であった。被告は「十分注意して投げた」と起訴内容を否認。無罪を主張した。
検察官役の指定弁護士は冒頭陳述で、08年5月27日夜の事故当時、11歳で小学6年だった沢田武蔵さん(16)=同市=は、受け身も十分にできず、小島被告と体格差があったと指摘。畳で頭を打ちはしなかったが、力を加減せずに投げられ、頭を揺さぶられて急性硬膜下血腫になり、長期のリハビリが必要な重度の意識障害に陥ったと述べた。
一方、小島被告は「投げ技をかけた際には十分注意していた。武蔵君は大会に何度も出場し、受け身は十分にとれていた」と反論。弁護側も、頭部の打撲がないのに急性硬膜下血腫が生じることは当時知られておらず、脳損傷は予測できなかったなどと主張した。
沢田さんと両親は損害賠償を求めて提訴し、11年9月、東京高裁で小島被告が沢田さん側に謝罪し、賠償金2億8千万円を支払う内容で和解が成立。今年5月には、全国で8例目の強制起訴事件となった。