【峯俊一平】山口県と島根県を襲った記録的な豪雨で、鉄道も大きな被害を受けた。中でも深刻なのは、新山口(山口市)と益田(島根県)を結ぶJR山口線。観光の顔とも言えるSLやまぐち号も走るが、山口市阿東地区では橋3本が流され、駅も水没。夏休みのかき入れ時だが、JR西日本は、SLやまぐち号の今年の運行を断念した。
阿東徳佐下の阿武川。橋が架かり線路が通っていたが、橋脚は流されて原形はなく、草木が絡まった線路は、川に沈み、ぐにゃりと曲がっていた。「しばらくSLの姿は見られないだろう。寂しい。地域の足でもある鉄道。早く復旧してほしい」。NPO法人あとう観光協会の磯野泰丸さん(46)は話した。
SLやまぐち号は、「貴婦人」の愛称で知られる蒸気機関車C57が客車(5両、定員360人)を引っ張り、山あいの62・9キロを約2時間かけて走る。例年3〜11月の観光シーズンの土日を中心に運行し、黄金週間や夏休みはほぼ満席。年間約5万人が乗る人気列車だ。