時代を超えて愛される着せ替え人形「リカちゃん」の国内唯一の工場が、福島県小野町にある。人口約1万1千人の小さな町。「リカちゃんキャッスル」と呼ばれ、見学もできる。地震と東京電力福島第一原発の事故で打撃を受けたが、たくさんの励ましに支えられ、復活しつつある。
リカちゃんはタカラ(現タカラトミー)が1967年に発売し、これまで5300万体以上を出荷した。今は主に海外で生産しているが、当初は創業者の佐藤安太さん(87)が東京都葛飾区の自宅兼工場で作っていた。子どもたちから「リカちゃんを作るところを見たい」と頼まれても、「きれいな工場ではないので夢を壊してしまう」と断っていたという。
佐藤さんは93年、発売25周年を機に「子どもたちに見てもらえる工場をつくろう」と、故郷の沢渡村(現いわき市)に近い小野町にキャッスルを完成させた。見学客が色とりどりのドレスを試着できるコーナーを設け、手作業で一つ一つ製作する工程を公開。歴代のリカちゃんも展示し、毎年10万人が訪れる観光スポットになった。