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イルカ漁、米で物議 和歌山舞台の映画、潜入・隠し撮り

2009年8月22日14時38分

写真:太地町沖でのイルカ漁の場面=米NPO「海洋保護協会」提供太地町沖でのイルカ漁の場面=米NPO「海洋保護協会」提供

写真:迷彩服を着て撮影する監督ら=米NPO「海洋保護協会」提供迷彩服を着て撮影する監督ら=米NPO「海洋保護協会」提供

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 【ニューヨーク=山中季広】和歌山県太地町でのイルカ漁を隠し撮りしたドキュメンタリー映画が今夏、米国内で上映され、物議をかもしている。見た人の多くは「イルカを殺す場面の残忍さに衝撃を受けた」との反応を見せ、主要紙もイルカ漁を批判する論調がほとんどだ。

 題名は「ザ・コーブ」(入り江)。米動物愛護家リック・オバリー氏の手引きで、潜水や夜間撮影、難所登り、DNA解析などを得意とする約20人が5年間に計7度、太地町に潜入。地元漁師の「妨害」や警官の「尾行」をかわして、立ち入り禁止の浜でイルカが血をふきながら殺されていく場面を撮影するという筋書きだ。

 映画は、日本では規定頭数内のイルカ捕獲が合法であることに触れてはいるが「太地町で捕獲されたイルカが世界各地のイルカショー水族館に輸出されている」などと「告発」している。

 ルイ・サホイヤス監督(52)は朝日新聞の取材に、「太地町と交渉したが、撮影は許されなかった。許可なく潜入したのは事実で、次に訪日したら不法侵入や業務妨害で訴追されるかもしれない」と説明。映画には、オバリー氏が和歌山県警の聴取を受ける場面もある。監督は「イルカ漁の実態をほとんどの日本人は知らされていない。日本の人々に状況を伝えるには、他に方法がなかった」と話している。

 米国では7月末に封切られた。観客の多くは「勇気ある調査報道」といった印象を持つようだ。ニューヨーク市内の映画館で息子(13)とともに見た母親(46)は「これはむごすぎる」。夫婦で見た60代の男性は「残虐な漁師たちが許せない」と話した。

 米紙や映画誌には映画を絶賛する声ばかりが並ぶ。ニューヨーク・タイムズは「きわめて秀逸なドキュメンタリー作品。海がイルカの血で染まり、(鑑賞した人の)目は涙であふれる」と論評した。

 すでに上映中のカナダや豪州などに続いて、フランスなどでも公開される予定。

■町長「コメントできない」

 和歌山県太地町の三軒一高(さんげん・かずたか)町長は「そのような映画を撮影に来たことも知らないし、見てもいない。コメントできない」と話している。

■捕獲枠内なら合法

 イルカ漁は国際捕鯨委員会(IWC)が禁止する商業捕鯨の対象外。日本では、水産庁が海洋資源調査に基づいて年間の捕獲枠を決めている。捕獲枠を配分された道県では枠内でのイルカ漁が認められている。

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