2009年9月6日10時8分
オフィスの日本地図には、システム利用校の所在地に赤いシールを張っている。佐宗社長は「関西や中部は張れる場所が少なくなってきた」と話す=宮城県名取市
全国で新型の豚インフルエンザが猛威をふるい始めるなか、宮城県名取市のベンチャー企業「アットシステム」が開発した簡易メール配信システムが、全国の学校や企業から注目を集めている。6年前、佐宗美智代社長(45)が近所の母親たちで利用しようとつくったが、従来のものより使いやすいと評判になり、申し込みが日に日に増えている。
特許も取得したシステム「eメッセージ」は、携帯電話やパソコンで手軽に大量の一斉メールが送れるのが特長。従来のメール配信システムとは違って、パスワードを入れるような手間が省け、端末のメール送受信機能だけで利用できる。集中アクセスでサーバーに負荷が高まる心配もなく、「数万人が一斉に使っても大丈夫。災害などの非常時にもしっかりと使える」と佐宗社長は胸を張る。
新型インフルの感染例が増え始めた今春、関西や中部を中心に利用申し込みが急増。8月末までに、導入校は北海道から九州まで全国で500を超えた。
3年前から利用している名取市の閖上(ゆりあげ)小では、夏休みが明けた途端、児童が新型インフルを発症。学校側は即座に「短縮授業となり、2年生のクラスは学級閉鎖を行います」「毎朝、必ず検温をして下さい」など、保護者らにメールを配信して対応した。担当教諭は「電話より早く確実に連絡を回せるのでありがたい」と話す。
「こんな風に役立ててもらえるとは予想外」という佐宗社長。システムをつくったきっかけは、次女が通う小学校のPTA役員をしていた03年のこと。プールの中止連絡を回す役割だったが「家にいない人もいて、全員に電話するのが、もう本当に大変で」。もともと大手電機メーカーのシステムエンジニアで、何とか効率的に回す方法はないかと思い、考えついたという。