大阪・道頓堀の有名ラーメン店や東京・築地のすし店に掲げられたコテコテの立体看板。奈良県庁前の「せんとくん」や大阪・新世界の「キン肉マン」のオブジェ。実は全部、同じ会社が作っている。
大阪府八尾市の「ポップ工芸」。中村雅英(まさひで)社長(63)は21歳でサラリーマンに。でも、定時出社の生活になじめなかった。学生時代、美術の成績は平凡だったのに、新聞で看板業者の求人広告をたまたま見つけて転職した。35歳の時だ。
1年間修業した後の1986年に独立し、一般的な平面の看板を作った。仕事は月の半分。徹夜で納期に間に合わせ、妻子を連れて日本中をマイカーで旅した。望んでいた「好きな時に働き、遊ぶ」生活を手に入れたと思った。
転機は97年。「金龍ラーメン道頓堀店」の竜の立体看板の注文が舞い込んだ。ノウハウはゼロ。試行錯誤して金網で型を作る方法を編み出し、2カ月で仕上げた。金龍ラーメン運営会社の林一(いち)社長は「あの竜の看板の、とよく言われる」と効果を認める。