経営不振企業の清算人に就任し、弁護士資格がないのに債務整理を手掛けて報酬を得ていたなどとして、大阪市北区のコンサルタント会社社長が弁護士法違反(非弁活動)容疑で大阪府警に告発されていたことがわかった。社長は、漫画の主人公の名医になぞらえて「ブラックジャック」と名乗っていた。
大阪弁護士会所属の弁護士が08年5月に告発し、府警が捜査している。告発状などによると、社長は07年7月から11月にかけ、資金繰りに行き詰まった長崎市のソフトウエア開発会社など計4社の清算人に就任。報酬を得て、取引先から債務免除の合意書を取り付けるなど、債権者との交渉を繰り返していた疑いがあるとされる。
弁護士法72条は、弁護士以外の者が報酬を得る目的で他人の法律事務を行うことを禁じている。告発した弁護士は「弁護士以外でも清算人にはなれるが、社長は不振会社の清算人に次々なって法律事務で報酬を得ている。明らかにビジネスで、違法行為だ」と話す。
さらにこの弁護士は、社長は長崎市の会社の資産を0円と査定して債権者に債権放棄を求めることもあったと指摘。「どんな破綻(はたん)会社でも資産0円はありえない。本来破産などの手続きをすべき赤字会社を残し、債権者に債権回収をあきらめさせていたのではないか」とみている。
大阪弁護士会は08年10月、「今回の告発は氷山の一角」と指摘し、迅速な捜査を求める府警本部長あての申入書を提出している。
社長は朝日新聞の取材に「人助けとしてやっていただけで、違法行為とは思っていない。指摘を受けて今はやめている。これまで約270社の事業再生を手がけてきたが、清算人に就いたのは十数社だ。弁護士なら会社も事業もつぶしてしまうところ、私なら事業を生き延びさせることができる」と話している。