【石毛良明】東京電力福島第一原発事故で警戒区域に指定されている福島県大熊町の試験田で10日、栽培された稲の刈り取りがあった。汚染度合いが高い田んぼで稲がどのくらい放射性セシウムを吸収するかを確かめ、将来の再生に役立てるのが目的だ。
試験田は大熊町役場のそばで、第一原発から約6キロ。白い防護服を着た町職員らが鎌で稲を刈り、束ねた。2週間ほど乾燥させ、玄米で放射線量を測る。
町は今年6月、4メートル四方の2区画にコシヒカリを植えた。一つは表土5センチをはぎ取って除染し、もう一つはそのまま。地上1メートルの線量は、除染した田が毎時5.2マイクロシーベルト、除染していない田が同7.6マイクロシーベルトだった。田を管理している町職員松本清之さん(35)は「何年後、何十年後になるか想像もつかないが、大熊に戻って農業を続けたいという町民の手助けになれば」と話す。