【前田大輔】公立図書館が足りなかった高度成長期、東京都東村山市の母親グループが、引退した電車で子ども文庫を開いた。これまで4千人の子どもたちに親しまれて45年。補修費用の一部をまかなって全国でも珍しい「電車図書館」を支えようと、21日、有志が貸し切りの臨時電車を走らせる。
西武新宿線久米川駅から15分ほど歩いた東村山市美住町1丁目。高層住宅が立ち並ぶ団地に、黄色の電車が置かれている。現在の車両は2000年まで西武線を走り、01年にやってきた2代目。運転台も路線図や広告も当時のままだ。
毎週水、土曜の開館日は子どもでいっぱいになる。指さし確認する幼稚園児、黙々と本を読む小学生……。貸出係をしていた河辺喜久子さん(82)はつぶやいた。「昔から、なんにも変わらないわね」