「実用数学技能検定」を実施する財団法人・日本数学検定協会(本部・東京都葛飾区)が08年、赤字経営だったにもかかわらず高田大進吉(たしよし)理事長(64)に多額の商標料を払っていた問題で、協会は27日、高田氏の理事長職などの退任を発表した。同日、財団を所管する文部科学省を訪れて報告した。検定には影響なく、予定通り実施されるという。
この問題は、「日本漢字能力検定協会」の不祥事を契機に3月、文科省が財団に調査に入ったことで発覚。調査によると、協会は08年、約4千万円の赤字だったが、高田氏は「数検」などの商標料として約3100万円、さらに約2千万円の報酬を得ていた。また、商標料の支出先が理事長であることを決算書類に記載していない不備があることもわかった。このため文科省が6月、「財団の資産、収支を考えると商標料、報酬が多額」と改善を求めていた。
文科省を訪れた高田氏は、決算書類に不備があったことの責任と、財団運営を私物化しているとの疑義を生じさせた責任を取るとして、12月末で理事長と理事を退任することを伝えた。
また、高田氏個人が登録している「数検」「児童数検」などの商標は財団が「適切な価格」で買い取ることや、理事長の長男で、昨年、財団から商標料200万円を得ていた高田忍副理事長(36)は「唯一の常勤理事として監督責任があった」として副理事長を退任するが、理事にはとどまることなどを報告した。
文科省への報告後、高田氏は「不正を働いていたわけではない」とし、多額の商標料を受け取っていたことについては、「商標は個人の知的財産であって、権利を主張するのは当然」と話した。報酬や商標料は、ここ数年同程度の額だったという。