新型インフルエンザの流行が全国で子どもを中心に本格化する中、医療従事者に続いて、持病のある人らへのワクチン接種が30日に始まった。接種の日程は地域によってまちまちで、重症化が目立つ子どもへの接種を前倒しする自治体が出始めた。学級閉鎖や休校の急増に伴い、教育現場への影響が広がる。
都道府県は、厚生労働省が示した接種スケジュール案をもとに、それぞれ予定を立ててホームページなどで公表している。厚労省の30日現在のまとめでは、医療従事者以外の人に対し、30日に岐阜、和歌山、山口の3県が接種を開始。11月2日の週に宮城、茨城、千葉、新潟など24県、9日の週に東京、長野、愛知、京都、長崎の5都府県が始める予定。都道府県によっては妊婦と持病のある人の開始日が違うことがある。
厚労省案では、持病のある人を除き、1〜6歳は12月前半から、小学校低学年は12月後半以降。東京都は、入院患者約250人の65%が10歳未満の子どもであることを重視し、持病のある人のうち1〜9歳の子の一部に11月9日から優先接種し、16日からは健康な1〜6歳の未就学児にも前倒しする。
青森、福岡など9県は持病のある人の中で1歳〜小学3年生を最優先として2日に始める。当初2回の接種が想定されていた医療従事者について、厚労省が1回接種と10月20日に決めたため、医療従事者の2回目分のワクチンで対応する。
一方で定点調査の対象になっている1医療機関当たりの患者数が61.43人と全国最多の北海道は子どもを優先することを検討したが、見送った。「ワクチンの配分量が限られ、持病のある人にも速やかに行き渡らない状況」と山口亮・医療参事は話す。
接種を実施する医療機関が直接、希望者の予約を受け付ける。一部地域ではすでに始まっており、混乱も見られる。岐阜県内では22日に持病のある人や妊婦からの予約が始まった。県総合医療センターには電話が殺到し、朝、担当課の5回線がすべてふさがった。「以前通っていたので打って欲しい」という対象外の人も2割ほどいたという。
金沢市の小児科診療所で健康な子どもを対象に予約を受け付けたところ、かかりつけでない人らから300件以上問い合わせがあった。確保できるワクチンの量が分からないため、名前を聞いて折り返し連絡することにしている。「平等に、というと受け付け順になる」と医師は話すが、他の医療機関との二重予約がないか不安も多いという。