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かつら捨てた財務省お役人、爆笑キャラで「第2の人生」(1/2ページ)

2009年11月8日19時6分

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写真:施設職員が演じる、自分を見捨てた母と再会して喜ぶ金剛君(右)。デイサービスの通所者は大喜び=福岡県福津市花見が丘3丁目施設職員が演じる、自分を見捨てた母と再会して喜ぶ金剛君(右)。デイサービスの通所者は大喜び=福岡県福津市花見が丘3丁目

 高げた、ツルツル頭に鉢巻き、金太郎の前掛け姿――。こんな格好の男性が、無報酬の宴会芸で地域の祭りや大学祭などの盛り上げ役に一役買ったり、保育園や福祉施設の慰問に取り組んだりしている。昨年は、福岡を中心に九州各県の100カ所以上を訪れた。「金剛君」を名乗っているが、平素の姿は同県古賀市の伊藤俊明さん(60)。財務省福岡財務支局理財部の調査官という、おカタイ仕事だ。

 「目を閉じて一番楽しかったころに戻ろうか」。同県福津市のデイサービスセンター。自称9歳の金剛君が60〜90代の通所者約30人に呼びかける。「50代、お肌の張りが出てきたぞ。40代、夫婦げんかをよくしたねえ。30代、子育てが大変やったね〜。あ〜、だんだんニキビの中に顔が埋まっていく〜。はい! み〜んな5歳になった!」

 お年寄りたちはみんな晴れやかな顔になった。ハーモニカを吹きながらの金剛君のウクレレ漫談に手拍子をしたり、一緒に「七つの子」「十五夜お月さん」などを歌ったりした。

 会場は約1時間にわたり笑い声が絶えなかった。この施設への来演は2度目。副施設長も「金剛ワールドに職員まで引き込まれてしまって」と笑う。「また来てほしい」

 この日は「招待」だったが年130カ所(09年予定)のうち7割は「乱入」、つまり飛び入り参加だ。大学祭では奇妙な姿を職員に不審がられるが、笑顔でいなし、大学生たちと盛り上がる。

 きっかけは、はげ頭への劣等感からの脱却だった。

 伊藤さんは20代で頭髪がほぼ無くなっていたという。まだ若く給与も安かったため母に頼んで買ってもらったかつらが、手放せなかった。27歳で、4歳下の看護師の泰子さんと結婚。子どもをもうけたが、劣等感はくすぶった。

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