省エネ家電を普及させようと、政府が5月から始めたエコポイント制度が混乱している。ポイントを商品と交換するには申請書の提出が必要だが、半数ほどで記入ミスなどがあり、少なくとも29万件は再提出を求められている。手続きのわかりにくさが原因との指摘もある。
申請を処理するエコポイント事務局によると、9月末までに受け付けた申請は約265万件。うち半数ほどの書類に何らかの不備があった。事務局でなるべく修正しているが、再提出を求めるケースは今月初めに29万件を超えた。
申請書類のデータ入力や審査は、最大千人で担っている。申請から商品の発送までに原則1〜2カ月かかるとされるが、申請の多さと書類の不備で処理が滞り、さらに長引くこともある。
消費者の問い合わせに応じるコールセンターを2カ所に設置。電話は1日平均約1万2千件ある。人員を段階的に増やし、現在は計450人が詰めている。
それでもエコポイント事務局の対応への不満は大きい。「正直言って振り回された」。東京都板橋区の女性(59)は、6月にエアコンを購入した鹿児島市の80代の両親に代わり、8月にエコポイントの申請書類に記入、郵送した。交換商品は新潟産コシヒカリと岡山産マスカット。「敬老の日ごろに両親宅に届き、喜んでもらえると思った」という。
だが、事務局から10月、マスカットは7月末の申請期限を過ぎていたとして別の商品を選び直すよう求められた。再提出用の書類が届き、結局、母は図書カードを選んだ。
地上デジタル対応テレビを2台購入した千葉市美浜区の男性(66)は、事務局に何度も電話したが、ポイント登録の通知が届いたのは申請から3カ月後の10月だった。「省エネや地デジ化に協力したのに裏切られた気分だ」