98年に経営破綻(はたん)した旧日本債券信用銀行(現・あおぞら銀行)の粉飾決算事件で、最高裁第二小法廷(古田佑紀裁判長)は9日、弁護側、検察側双方の主張を聞く弁論を開いた。結論の見直しに必要な弁論が開かれたことで、一、二審の有罪判決が被告側に有利な方向で見直される可能性が高いが、検察側は「企業会計の適正な開示の観点から見過ごせない状況だった」と述べ、有罪を維持するよう求めた。判決期日は追って指定される。
この事件では同行元会長の窪田弘被告(78)ら3人が、経営実態をよく見せかけるため、98年3月期の決算で1592億円の損失を隠したとして旧証券取引法違反の罪に問われ、一、二審で執行猶予付きの有罪判決を受けた。同じような争点だった旧日本長期信用銀行(現・新生銀行)の粉飾決算事件では最高裁が昨年7月、「当時の会計慣行に照らして、決算が違法だったとはいえない」と判断。有罪の一、二審判決を破棄し、元頭取らに無罪を言い渡した。
弁論で、弁護側は長銀事件の判決にも触れ、日債銀の決算も同様に適法だったと主張。一、二審判決を破棄するよう求めた。これに対して検察側は、長銀判決について「なぜ不良債権処理の先送りが許されるのか、理由を説明していない」と批判。結果的に、日債銀の財務諸表は実態と大きくかけ離れる結果になっていたと指摘し、上告棄却を求めた。