海外の約束手形を使った資産運用話を持ちかけ、歯科医師から4千数百万円を詐取したとして、大阪府警は12日、埼玉県伊奈町議の高橋康一(53)=同町小室=、元ソニー生命保険営業社員井元博樹(53)=兵庫県西宮市苦楽園三番町=、会社員六平秀一(ろくひら・しゅういち)(61)=埼玉県鶴ケ島市富士見2丁目=の3容疑者を詐欺容疑で逮捕し、発表した。高橋、六平両容疑者は容疑を認め、井元容疑者は「だましたつもりはない」と否認しているという。
捜査関係者らによると、高橋容疑者は06年3月、町議の名刺の他に自らを東京の投資会社顧問とする名刺を大阪市内の50歳代の歯科医師らに渡し、手形による運用話を説明したという。だが、この投資会社の元代表(当時は現職)は朝日新聞の取材に「高橋容疑者とは5年ほど前に知り合ったが、顧問を勝手に名乗っているだけ。許可した覚えはない」と指摘している。
また、高橋容疑者は資金の振込先として投資会社代表「ムサカヒデカズ」名義の銀行口座を指定していたが、同容疑者は今年4月の朝日新聞の取材に「ムサカは漢字で六平と書く」などと説明していた。捜査関係者によると、六平容疑者を偽の代表に仕立てて詐取金の受け皿にしていた可能性があるという。
元代表によると、07年夏ごろ、高橋容疑者が「ムサカヒデカズ」名義の口座を開設したと知り、同容疑者に理由を問いただすと、「香港に同名の別会社を開設した」などと釈明したという。
捜査2課によると、3容疑者は共謀して06年3月ごろ、歯科医師に「手数料を払えば海外の銀行から約束手形が発行され、全額を現金化できる」などとうそをつき、同5月〜11月ごろ、数回にわたり計4千数百万円をだまし取った疑いが持たれている。同課は振込金は高橋容疑者らが借金の返済などに充てたとみている。
井元容疑者の逮捕について、ソニー生命保険広報部は「元社員が逮捕され誠に遺憾。捜査には全面的に協力していく」とコメントした。