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ダム守るダム、年10億円 八ツ場の上流に中和専用ダム(1/2ページ)

2009年11月14日5時0分

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 「群馬県として確認の必要はないのか」。13日の群馬県議会決算特別委員会。八ツ場(やんば)ダムの予定地の上流で、国土交通省が環境基準を超えるヒ素を毎年検出しながら公表を避けていた問題が議題に上った。大沢正明知事は「いずれ(国交)大臣がすべて責任を持って再検証すると言っている」とかわした。

 ダムが計画されていた吾妻川流域の水質問題は、計画浮上から半世紀を過ぎても完成しない八ツ場ダムよりも、古い歴史がある。

 ヒ素だけではない。水が強い酸性なのだ。

 火山の草津白根山を水源とするため、硫黄鉱山や温泉地が多いからだ。戦前の1937年には下流の作物に被害が出て、県に「毒水」調査委員会が設置されたほどだ。

 吾妻川はかつて、「魚もすまぬ死の川」と呼ばれた。八ツ場ダム計画が地元に伝えられた52年から55年に、国はダム予定地で鋼板やコンクリートを川水に400日さらす実験をした。すると鋼板は8割、コンクリートは1割前後が溶けた。酸性ほど数値が低くなる水素イオン濃度(pH)は当時pH2〜3。レモン果汁並みの「強酸性」。ダム計画は一度は消えた。

 その後、「世界初」の触れ込みで63〜65年に造られたのが、酸性水をせき止める品木ダムと中和工場だ。八ツ場ダムの予定地から北西へ約10キロの山中に、緑と白の絵の具を溶かし込んだような湖面が広がる。温泉水が流れこむダム湖は「上州湯の湖」と呼ばれ、近づくと卵の腐ったような硫黄のにおいが鼻につく。

 ダム湖に注ぐ三つの河川の上流は、いずれもpH2〜3。中流に設けた中和工場で石灰液を常に投入し、人工的に化学反応を起こしている。pH値を上げる代わりに鉄やアルミニウムの水酸化物ができるので、品木ダムに水をため、水酸化物を沈殿させて水と分離させている。

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