【島康彦】高円宮(たかまどのみや)憲仁(のりひと)さまの急逝から21日で10年。気さくな「宮さま」が愛した居酒屋が、東京・神田にある。殿下をしのび、いまものれんをくぐる客が絶えない。
1998年秋の夕暮れ。JR神田駅ガード下の大衆酒場「升亀」に、帽子を深々とかぶった男性が入ってきた。隅っこのテーブル席に座ると、「ついに来ましたよ」。そう笑顔を見せたのは高円宮さまだった。
「殿下は庶民的な酒場に行ってみたいと常々おっしゃって。友人2人と作戦決行したんです」。高円宮さまと店を訪れた古城和明さん(77)は振り返る。